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​大切にしていること

僕は一度「音」を失いました。
社会人を経て音大に入り直した僕は周囲に遅れまいと必死で練習し卒業後は演奏にレッスンにと忙しい日々を送っていました。


ところが28歳の時、突然音が出せなくなりました。原因は分からずパニックになりました。試行錯誤も虚しくついにはプスリとも鳴らなくなってしまいました。それと同時期に眼も悪くなり楽譜も見辛くなりました。絶望的でした。

でも、ここで諦めたくない。

改めて自分の奏法、アンブシュアや呼吸、姿勢も含めて全て一から見直すことにしました。そんな時「レッシュ(4スタンス)理論」という身体理論に出逢いました。

僕のホルンの先生はレッスンでよく「こうしてみたら?」とやってみて、うまくいかなかったら「じゃあこっちは?」と他の選択肢を用意してくれました。うまくいったら「それ、採用。」そしていつも二言目に「自分の奏法を編み出すんですよ。それが楽しいんや。」そんな事をしょっちゅう言われました(苦笑)。先生は体格の違いで演奏しやすい方法が異なる事を、これまでのご経験からよくご存じだったのだと思います。

 

そんなレッスンを受けてきたからか、このレッシュ理論はとても腑に落ちました。理論を学び実践する事で次第にどう演奏すれば良いかを自分で判断できるようになっていきました。不調から立て直していく作業はとても辛かったけれど「編み出す」喜びの方が大きく、とっても楽しかったです。


不調から抜け出した今、自分の指導にも活かしています。理論をベースにして、様々な視点からその人に合った言葉を選んでいくと、まるで肩こりが解れる時のようにできなかったことがスルッとできるようになる。生徒さんが悩みから解放された時の表情を見ると嬉しくてたまりません!


試行錯誤する中で学んだのは「一つのやり方に拘らず、柔軟な発想と多彩な引き出しを持つ」ことが上達には欠かせないという事。僕はこのノウハウを、奏法で悩んでいる多くの人に役立てたい。そしてゆくゆくはそんな多様な視点で指導できる人を育てたいとも考えています。

演奏しているとからだのどこかに痛みが出たり、楽器を持っていられない、集中できない、段々演奏できなくなっていく…そんな経験はありませんか?意外とからだを酷使する楽器の演奏者は、何かしらの不調や痛みを抱えている人が多いと思います。


身体理論に基づいて自分に合った姿勢や方法を模索する事は、非常に効率的かつ効果的です。「楽器演奏を、もっとラクに、自由に、健康的に!」をモットーに、多様性とユーモアあふれるレッスンを心掛けています。
 

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